超絶ブラック社会 ブラック企業=ブラック消費者

2014年は7月ですが、ブラック企業とかブラックバイトなんていう言葉が流行っていますね。
ブラック企業の問題はどの業種にもあります。いったいなにが問題なのかというと企業利益から顧客ニーズを差し引いた時に、マイナスになる部分を会社の末端である社員やバイトが折り合いを付けなければならないことです。

マイナスになる部分というのはほぼお金ですから、それがマイナスになるということはお金を補填しなければならない、ということです。しかし、従業員はお金を自腹で払おうとすると会社からお金を受け取っている以上、お金を差し出すわけには行きません。なぜなら会社にとってのお金とは従業員の時間と労働を転化させたものであるからです。足りない部分を従業員が賄うには時間と労働を増やしてお金に変える必要があります。それ以外補填する方法がないからです。
つまり、大抵は従業員が有給もとれずにサービス残業をすることで賄われ、折り合いを付けることとなります。

長時間労働が慢性化すると貯金が出来ずお金を使うこともできなくなります。すると買い控えが起き、購入意欲があったとしてもお財布と相談ということになります。対して企業は顧客がお金を払ってくれないと困ってしまうので、品質はそのままに価格を下げざるを得ません。

品質を下げず売価を下げるということは利益の減少に繋がります。物価はインフレに向かっていくのでなにもしなければ利益は減少し続けます。ライバルがいればなおさら加速します。会社をなんとか存続させていくためには、ブラック化せざるを得ないのです。なぜなら、ブラック企業を支えているのは不当な値引きを要求するブラック消費者であるからです。

しかしながらそのブラック消費者もまたブラック企業に勤めていて、止むを得ない理由があったりします。自分で自分の首を絞めていることに気が付かない人はたくさんいます。

昔はブラック企業という考えがありませんでした。それが当たり前だと思われていたからです。師弟制度や徒弟制度は士業や専門職に今でも多く残っています。勉強させてもらうのだから給料は出ないのが当たり前という社会が、数十年前には普通にあり常識だったのです。

明治時代には丁稚奉公という仕組みが当たり前にあり、家督を継げない次男以下は大抵は奉公(社会勉強)に出されるか、結婚を許されず家業を一生支えていく「おじろく・おばさ」という奴隷制度もありました。ブラックもブラックで超絶ブラック社会だったのです。しかし、修行が終われば幹部として抜擢されたり、信用を得てのれん分けをしてもらえたのです。

欧米化思想と近代化によって教育の近代化が導入されると子供たちは学校に通い、自らの能力に応じて職業選択の自由が許されるようになります。それまでの日本の社会は、もっとも無難な生き方が家業を継ぐことだったのです。
今では考えられませんが、子供をたくさん産むメリットは、ほぼ無給で働く労働力を得られることだったのです。子供をたくさん産み育て働かせれば誰でも優良な個人事業主になられるチャンスがあったのです。

日本の人口増加と核家族化による消費励行施策、そして人間は皆生まれながらにして平等であるという近代思想によって、こういった保守的な制度や因習は減少していきます。

話は戻って、今から考えると超絶ブラック社会であっても人々がなんとか暮らせていけたのは、富の再分配があったからです。社会の中で苦労し、忍耐を強いられても、やがては巡り巡って自分に還ってきていたのです。これを「お天道様がみている」と表現していました。

そもそも資本主義は自由競争下で資本を持ったものが労働者を使いより多く儲けるもので、競争することで物価が上昇する=賃金が増える=生活が豊かになるインフレを想定していました。
誰が儲けようが、結局は稼ぎに応じて国に税金を納め、それを国が公平に再分配しましょう、という仕組みです。
生活保護も年金もそういったセーフティネットのひとつです。

ところが、ポスト(近代)資本主義では富の再分配がうまく行われていません。たくさん儲けるものがたくさん税金を支払って全体を支えていく、という想定が成り立たなくなってきたのです。なぜかというと、お金持ち(資本家)はお金持ちに投資をするからです。その方が得だからです。

例えば、日本に税金を納めるよりもタックス・ヘイブンの国で、税金を小額に抑え節約したお金をその国に援助し、投資をすればさらなるリターンが望めます。お金持ちにとってそもそも自分より稼いでいない人達に投資をしても、リターンが少ないことは自明の理なのです。

税金を抑え、投資を次に次に行えば富が富を呼び続けます。下層に回さず上層だけでぐるぐると回していた方がお金は儲かるのです。なぜなら、上層にはお金持ちしかいないからです。下層で吸い上げたお金を上層で回していた方がリターンが大きいのです。富の再分配が起きるわけがないのです。

こういったことの繰り返しは地方の個人商店消滅とイオンモール化でも見られるし、外食産業はチェーン店化でどの街も軒並み似たような看板だらけという有り様です。金太郎飴タウン。地方再生もありゃしません。
しかし、今チェーン店でさえ息も絶え絶えです。
なぜなら、消費者の収入が落ち込み利用したくともできないからです。消費よりも節約に走るのは仕方がありません。

そして、話はループします。
全ては繋がっているので、雇い控え、買い控えとなり、それは卵が先かニワトリが先かの違いです。
例えば、ブラック企業として今槍玉に上がっているワタミやゼンショーグループですが、それら企業の衰退は消費者の勝利ではなく敗北です。

なぜなら、ブラック企業がホワイトに転じればそこに適正価格を上乗せせざるを得ないからです。
値上げを断行せざるを得なくなります。業界大手が適正価格を鑑み値上げを断行すれば業界全体で値上げが断行されます。消費者のお財布事情が改善しない限り、値上げに対する反応は冷ややかなものでしかないでしょう。

で、何が言いたいかというと、消費者の底辺化の問題というのは、直近にあるのではなくもっと違う場所にあるということです。それは前述したようにブラック企業がホワイトに転じただけでは根本的解決にならないことで分かります。もっと別の場所にあるのです。

それはどこかというと、この世界はフラクタルで鏡の世界なので、下層に対して上層にあるのです。
上層に住む人達のことを我々はグローバルエリートと呼びます。グローバルエリート達が下層の人達からお金を吸い上げ、富の再分配に協力しないのが一因です。そこに一役買っているのがネットなのです。

ネットは今後10年間で様々な既得権益を焼き払い、既存ビジネスを消滅させることが予想されています。
この影響下から逃れる術はなく、それをもっとも肌で感じている業種のひとつがウェブ制作会社なのです。

▼タックスヘイブンに流れる日本の「税金」を取り戻せ
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1307/18/news001.html

▼日本に税金を納めていない企業はアマゾンだけではない なんと有名なあの企業も
http://news.livedoor.com/article/detail/8649104/

▼竹中平蔵 日本は物凄い格差社会になる。介護難民や若者のホームレスだらけ。
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-2129.html


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