下品なセールスページ vs 上品なセールスページ 売れるのはどっちだ?

同じ商品で、楽天のようなガチで勢いのあるド派手なセールスページと、アップルストアのような洗練されたセールスページがあったとしたら、どちらが売れると思いますか?
答えを先に書いてしまうと、前者の下衆でド派手なセールスページの方が全然売れます。

どうしてこの話を出したかというと、クライアントの依頼で割と多いのがとりあえず自分で作ってはみたのだけれど、素人くさいからもっとカッコ良くして欲しい、というもの。つまり、自分でも作れるけれど、プロが作ったらもっと売れるのではないか? という期待が込められています。

ところが、絶対ではないですがウェブショップ系でプロがクールでビューティなデザインにまとめてしまうと、売れなくなってしまうことがあります。クールでビューティなデザインで売れるのは、高価で信用が第一の商材です。ある程度知名度があることも必要です。ブランドイメージを大事にする会社が「ザ・どないやねん?」と自分語りを始めると興醒めですよね。

物販は素人っぽいデザインの方が売れる、というのはなんとも言えないパラドックスなのですが、ちゃんと理由があります。
素人っぽさには駆け引きが見えない、というのが最も大きな理由だと思います。それから店主ができないなりにも一生懸命やってる感が伝わります。ネットには同じ商品であればすぐにでも横断検索をして最安値のものを見付けることが出来ます。
品質が保証されているものであれば、特に小売りが仕入れて転売している中抜きビジネスの場合は、より原価に近い商品に買いが集中します。これを一物一価の法則と呼びます。

当たり前の話ですよね。どこで買っても同じ品質なら安い方がいいわけです。逆オークションです。
オリジナル商品を扱っているのでなければ、大量仕入れでコストダウンできる大手に軍配が上がります。
最近ではショールーミング化という現象が話題になりましたね。

▼ヤマダ電機の営業赤字転落で考える ショールーミングは「正しい」行動か?
http://diamond.jp/articles/-/44361

▼ショールーミングの衝撃、分かれる家電量販店の対応〜店に来る“意味”をつくれるか?
http://biz-journal.jp/2013/11/post_3353.html

とはいえ、検索をしたらAmazonや楽天、Yahoo! がトップに表示され見てみたけれど、情報のボリュームがあり過ぎて逆にパニックになる人もいます。安売りの殿堂ドン・キホーテのようにボリュームで圧倒して、思考停止に追い込み、勢いで買わせる戦略と似ています。
とはいえ、これが通用するのは日本だけのようで、海外ではウケないようです。
ヤフーや楽天が国内の需要と供給のバランスが飽和したことを受けて海外市場の開拓を目指しましたが、この日本型「みてみぃワレ! どうでってかぁ!!!」的な売り方は大失敗に終わり、撤退しています。

▼楽天とヤフー、中国市場に食い込めず ネット通販相次ぎ撤退
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120425/biz12042508280014-n1.htm

例えばショップでは「全てが最高品質です!」というアナウンスがあったら、客にとっては甲乙付け難しであり、そこに価格の違いがあればではその違いはなんなのか? という疑問が残りますよね。良いことは喧伝するけれど、悪いことは隠しているのではないか? と勘ぐられてしまいます。

あれはいい、これはダメと複数のサイトを駆け巡って送料や特典なんかを計算し、一人で心理戦をするのが好きな人はいいとは思いますが、ダメだっていう人は圧倒的にいます。そういった人たちが個人ショップに流れてくるわけです。

で、店主が「他はどうかは知らないが、俺はこれが好きだぜ」というメッセージにシビレちゃうわけです。
この商品を買うことが正しいのかは分からないが、店主が信用できれば買った後も何かしら対応してくれそう、という期待があります。
それがカッチリしたデザインで、いかにも大企業様的なデザインだとなんだか冷たくあしらわれそうと思われるかもしれません。

デザインのことは分からなくても、商品のことをよく知っている人は、商品の良さを伝えるのがデザイナーよりも圧倒的にうまい場合があります。客はデザイナーではないので、デザインを求めに来ているわけではない以上、商品がちゃんと購入できて届けばいいわけです(←購入する商品のデザインは重要です)。
そういった意味で下品なセールスページにもメリットはあります。


↑PSY x LMFAO x Lil Jon x Lil Wayne ゲスいけど見ていて楽しい

逆に上品なセールスページで売れる会社というのは、ほんの一握りなので、ひと通り成長して品位を求められてからでも遅くはありません。
結局なにが言いたいかというと、ウェブデザイン会社=カッコイイデザインという時代は終わったということです。
これは別にカッコイイデザインがダメだというのではなくて、目的に二義性があるのはよくないよ、ということです。
二義性というのは、「ひとつの言葉に異なるふたつの意味がある」とか、あるいはダブルスタンダードという意味がありますが、制作依頼主のエゴとその先の顧客ニーズを一緒にしてはうまくいかないかもよーというお話でした。


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